肩こりといっても
① 首の横や後ろが凝る
② 肩の上が凝る
③ 肩甲骨の間が凝る
の3か所があります。これらの一か所が凝る人や、数か所が凝る人がいたりします。
首の後ろのコリについて頸の後ろから背中にある筋を挙げてゆきます。
頭半棘筋(とうはんきょくきん)
上部胸椎の棘突起の横から後頭部の間にあります(図1)。ここにコリがあるとめまいやふらつき、後頭部の皮膚疾患などに関連し、圧迫すると頭の前や横に関連痛が出ることがあります。
頸半棘筋(けいはんきょくきん)
上部の胸椎棘突起の横から頸椎の棘突起につきます(図1)。後頚部、後頭部、上部胸椎のコリの原因となり、圧迫で肩甲帯、上肢や手などに関連痛が出ることがあります。
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
多裂筋(たれつきん)
仙骨から上部頸椎にわたる多数の小筋で、頸椎や上部胸椎では頸半棘筋の奥にあります(図2)。後頚部、上部胸椎の痛みに関連し、圧迫で肩甲帯、上肢に関連痛が出ることがあります。
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
頸長肋筋(けいちょうろくきん)
3~7肋骨から4~6頸椎の横につき(図3)、最長筋(後述)とともに脊柱を伸展します。長時間のデスクワークで肩引き(注)から頸部にかけての痛みやコリを出します。
注)肩引き:両肩甲骨の間をいい、コリが出やすいところである。
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
最長筋(さいちょうきん)
脊柱を伸展し呼吸の補助をします。長時間のデスクワークで胸背部から頸背部に痛みを出し、頭の後ろやてっぺんに関連痛が出ることがあります。
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
頭板状筋(とうばんじょうきん)、頸板状筋(けいばんじょうきん)
場所は図5参照。後頭部の直下は厚い筋に覆われ、頭板状筋の奥に後頭直筋や頭斜筋などがあります。頭の後ろ・横・前、眼球周辺などに関連痛が出ることがあり、後頭部直下のコリの圧迫や鍼で眼精疲労が軽減したり、目の前が明るくなったりします。
出典:河上敬介、小林邦彦編『骨格筋の形と触察法』 大峰閣 1998
僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋は図6のように背中に張り出している大きな筋で、背筋を伸ばし胸を張るなどの作用があります。上中下に分けますがそのうちの上部線維は後頭部についており肩こりが出やすい筋で、背中の上のほうや頭の痛みにも関係します。
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017