肩甲骨の間-肩引き-のコリに関係する筋
肩引きといわれる部位は両肩甲骨の間を言います。ここのコリは、頭・頸半棘筋(とう・けいはんきょくきん、図1)、腸肋筋(ちょうろっきん、図2)、最長筋(さいちょうきん、図3)、多裂筋(たれつきん、図4)に加え、前鋸筋(ぜんきょきん、図6)の関連が強いと考えられます。
また僧帽筋(そうぼうきん、図7)の中部線維は肩甲骨の内側縁についていて、背部痛に関連することがあります。
頭・頸半棘筋(とう・けいはんきょくきん)
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
腸肋筋(ちょうろっきん)
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
最長筋(さいちょうきん)
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
多裂筋(たれつきん)
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
前鋸筋(ぜんきょきん)
第1~8の肋骨から肩甲骨の上角、内側縁、下角につきます(図6)。大胸筋と広背筋の間の肋骨についており、肩甲骨を前に出す作用があります。側胸部の痛み、上肢への関連痛、息苦しさなどに関連しています。
寝返りした体をねじった際にわき腹がつってしまうこともこの筋のコリが考えられます。肩甲骨が前に出て背中が丸まっているのは、前鋸筋を伸ばした姿位に持ってくることで痛みを減らしている姿勢であることがあります。
右肩甲骨の部位の名称を図示します(図5)。内側(左側)の一番上の角(上角)、下の角(下角)、左側の直線部分(内側縁)
出典:金子丑之助『本人体解剖学第1巻』 南山堂 1956
出典:河上敬介、小林邦彦編『骨格筋の形と触察法』 大峰閣 1998
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
注意をしなければならないのは、なかなか取れない肩甲骨の間のコリは心臓や肺などの内臓からくる関連感覚の場合があります。また左肩のコリや左上肢のシビレも心臓が原因のことがあります。そのため、ほかの症状と合わせ必要な検査はすることが大事です。
肩こり体操
ご自分で行う肩こり体操を紹介します。筋を緊張させた後力を十分に抜くとリラックスが強く起こり血液循環を促します。
手と頭で数秒押しっこしてその後数秒力を抜きます。
両肩を数秒すくめ、その後ストンと肩を下ろす。
椅子の背もたれを両手で数秒押し、その後力を抜く。
うつ伏せで両手を数秒上げ、そのあとストンと力を抜く。
肩こりでお困りの方は当院をお訪ねください。
つくば市 慢性腰痛・痛み専門 マッサージ・はり・運動療法
みどりの鍼灸院
次回は姿勢の悪さからくる腰痛や肩コリについて説明します。