バレー・リュー症候群

庭に来たヤマガラ

1.バレー・リュー症候群とは

頸部の損傷にともなって発生する一連の自律神経症状をいいます。むち打ち損傷で発生することがあります。他覚所見(客観的な原因部位)に乏しいことが特徴で、頭痛、めまい、耳鳴り、視力障害、顔面や上肢の感覚異常などの不定愁訴が主体になります。

原因については諸説あり、頸部交感神経緊張亢進を原因とする説、椎骨動脈の循環障害を原因とする説、頸部軟部組織の緊張亢進を原因とする説などがあります。

表1は筆者が経験した外傷性頸部症候群6例と頸椎骨軟骨症と診断された8例の症状を比較したものです。

症状・症状の部位外傷性頸部症候群(6例)頸椎骨軟骨症(8例)
頭・頸部頸部痛(2例)
側頸部痛(2例)
後頭下痛
後頸部正中痛
後頭・側頭痛
後頸・側頸部痛
項部痛
肩・背部
その他の部位
背部痛(2例)、肩上痛、上肢痛
胸椎部痛
肩甲骨痛、肩・上肢痛
脊柱肩甲骨間痛
シビレ他手のシビレ
頸部可動域制限
手のシビレ
痛み・しびれ以外の愁訴肩・頸部・頭のコリ、頭重
めまい、吐き気
表1.外傷性頸部症候群と頸部骨軟骨症の臨床症状の比較

この表からわかることは、外傷性頸部症候群は運動器の症状が多く多彩であることと痛みシビレ以外の症状、いわゆるバレーリュー症候が加わっていることがあげられます。

このことからもむち打ち損傷は厄介な怪我であることがわかります。

2.対処法

バレー・リュー症候群の原因の説として、3つほど上に述べました。頸部や肩の筋緊張を和らげることは、頸部交感神経緊張亢進説、椎骨動脈の循環障害説への対応になります。

橈骨動脈循環障害説の対応の前に椎骨動脈について説明します。脳内に行く血管は2対4本あります。1対は総頸動脈から分かれた内頸動脈です。もう1対は椎骨動脈で、頸椎の横にある骨の穴(横突孔)のトンネルの中を通って脳内に行きます。(図1)

図1.椎骨動脈

この骨のトンネルは狭く、例えばむち打ちなどで頭がゆすられたようなときに中を通っている椎骨動脈のどこかで通りが悪くなったり損傷したりする可能性があります。

そのため筆者は頸椎をやさしくゆすり、どこかで通りが悪くなっている血管の通りをよくするようなやり方をしています。

交通事故等の後遺症でお困りの方は当院をお訪ねください。

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みどりの鍼灸院


次回は頸部や肩の症状への対応について紹介します。

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