頸、肩等の症状に対する対処法

自宅からの夕焼け

頚、肩の痛み(図1)に対して以下の方法が使われます。

図1.頚・肩の痛み

1.星状神経節ブロック

ペインクリニック外来で頻繁に行われます。

第7頸椎と第1胸椎の前にある星状神経節は交感神経の集まりで、麻酔薬を注入すると、体の主に上半身に発生している様々な症状が緩和される可能性があります。交感神経や血流が原因の症状や痛みに適応されます。具体的には突発性難聴、鼻アレルギー、自律神経失調症、頭痛、偏頭痛、肩こり、メニエル病、群発頭痛、顔面痛、顔面神経麻痺、外傷性頸部症群、頸肩腕症候群、肩関節症候群、カウザルギー、頭頸部・上胸部の帯状疱疹、反射性交感神経萎縮症、上下肢痛、花粉症(アレルギー性鼻炎・結膜炎)、末梢血行障害などです。

理学療法では第7頸椎の高さで頸動脈と気管との間の体表からレーザーを当て、消失する症状を観察します。残った症状はその原因を突き止めながら対応してゆきます。

2.マッサージ

私のやっているのは筋・筋膜摩擦伸長法というやり方で、手技はあん摩に近く、科学的に理論付けした方法で、この新着情報で何度も紹介しています。

3.鍼

主に疼痛軽減を目的に行います。

4.ストレッチ

筋・筋膜摩擦伸長法を行った後、損傷された筋をストレッチする方法が有効です。患者さんが行える自主ストレッチを指導したりします。またHold-Relaxという方法で筋を収縮させた後でリラックスさせストレッチすることも行うことがあります。

5.ホットパック

ホットパックはシリカゲル等をキャンパス地に詰め、ハイドロコレーターにて80°の温水で温め、数枚のバスタオルで包み患部に当てる温熱療法の一種です。(写真1)

写真1.ホットパックとハイドロコレーター

ホットパックは循環を改善し、特に湿生のホットパックはとても気持ちのいいものです。疼痛に対してや関節の動きが悪い患者さんを治療する前に適応する方法が良く採られます。電気で温めた乾性ホットパックもあります。

6.モビリゼーション

関節機能に異常があることが判った場合に用いられる技術です。同じような方法としてオステオパシー、カイロプラクティックなどがあります。筆者が前回で述べた橈骨動脈の流れをよくするために頸椎をゆするのもモビリゼーションになります。

7.牽引

徒手による牽引と機器による間欠的牽引が臨床では行われます。頸椎牽引(図2)で椎間孔が開くには相当な力で引っ張らなくてはならず、顎関節が耐えられません。弱い力の牽引でも症状が軽減するのは頸周りの筋肉や軟部組織がストレッチされるためと考えられます。また頸椎牽引は頸椎の周辺組織はストレッチされますが、胸椎に問題がある場合はほとんど牽引力が及びません。

図2.頸椎牽引

頚肩腕(くびかたうで)症候群の症状が出て、レントゲン写真を撮ると高齢者の場合骨に何らかの変化があることは十分考えられます。そのため椎間孔で神経を圧迫されていると判断され、牽引をすることになります。椎間孔が症状の原因でなく、周りの筋や軟部組織が原因であることが多いのです。長い臨床経験からこのようなことが判ってきました。

頸・肩等の症状にお悩みの方は当院をお訪ね下さい。


つくば市 腰痛・痛み マッサージ・はり・運動療法

みどりの鍼灸院


次回は腰痛の際悪くなる頻度が非常に高い腰方形筋について説明します。

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