腰痛にならないための方法③力士に腰痛が少ない理由

かりんの実
庭で獲れたかりんの実。かりん酒にするとのどに良いのです。

お相撲さんが巨体で、激しい動きをするのにもかかわらず腰痛が少ないのです。
その理由を考えてみます。

まわし

まわしは長さは6m(青年男子用)程度、幅45cm程度の帆布(消防のホース生地などに用いられる)で、腹部と腰では4つ折りになっています。

45cmの幅を四つ折りにすると11cm程度の幅になります。その効果として腹部を押さえることで腹圧がかかること、腰部では背筋を使う際の補助になり背筋の力をあまり使わなくて済みます。

つまり腰が痛いときに装着するコルセットの役割をしているのです。

重量挙げの選手が腰を痛めないために幅の厚いベルトをしているのも同じ理由です。
写真は重量挙げの腰ベルトの一例です。

重量挙げの腰ベルト

次に、相撲に勝つためにはなるべく低い姿勢から相手を上に突き上げ顎をあげさせ体を浮かせてしまえば勝ちにつながります。

そのためにすり足、股割、しこを踏む、蹲踞(そんきょ)などの稽古をします。

すり足

すり足は膝を深く曲げ腰椎をまっすぐにして、相手に顎を下から突き上げられないように腹筋に力を入れ前進します。

腹筋に力を入れることで「腰を入れる姿勢」ができこれが腰痛予防にいいのです。

相撲のすり足

下のイラストは立ち合いの姿勢で膝を深く曲げ体幹から頭までをまっすぐにし、相手も足から頭まで一直線になり、お互いに相手を下から上に突き上げようとしています。

相撲の立ち合いの姿勢

股割

股割は両下肢を開脚して上体を前に倒す稽古で、開脚体前屈のことです。

相撲は倒されないようにかなり無理な姿勢でこらえます。

膝を曲げる筋肉(ハムストリングス)のストレッチングをすることで、股関節の動く範囲(可動域)が大きくなり、骨盤が無理な動きをすることなく、その結果骨盤と連結している腰椎に負担がかかりにくくなります。

この稽古は腰を保護し、けがの予防につながると考えられます。

また両脚開脚で体が十分に前に倒れれば、おしりの筋肉(大殿筋)もストレッチされます。

私の臨床研究では腰痛といわれる患者さんのうち半分ほどは大殿筋が痛いのです。
開脚体前屈はこの大殿筋もストレッチできるので、けがの予防だけでなく、お尻が痛い腰痛の治療としても良い方法と考えられます。

四股(しこ)、蹲踞(そんきょ)

しこを踏んだり蹲踞の姿勢は下肢の力をつけることで、上体だけで戦わず、下肢の力で体を前に押し出すことに役立っていると考えられます。

よく解説者が「足が出ておらず上体だけで取っている」といいますね。

下肢を鍛えることで腰を下ろしやすくなり、なるべく低い姿勢で重い物(対戦相手)を持ち上げることができ、その結果立ち膝で重いものを持ち上げない、腰に負担がかからなくなることにつながります。

また四股や蹲踞は動作を通じて筋力をつけてゆくという点で、重りを使った筋力強化とは違うのです。


家でご家族の介護をされて、腰痛になりにくい体の構えを詳しくお知りになりたい方は当院をお尋ね下さい。

つくば市 慢性腰痛・痛み専門 マッサージ・はり・運動療法

みどりの鍼灸院


次回は腰痛予防のまとめをします。

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