
1.肩甲上腕リズムとは
上肢を外転すると肩甲骨も上方回旋しその割合は2対1が正常といわれています。例えば上肢が90°外転しているとき肩関節は60°外転し、肩甲骨は30°上方回旋し合わせて90°になっています。肩甲骨の動きが悪いと肩甲上腕リズムは例えば5対1とか10対1になってきます。そうなると肩関節に無理がかかり肩が十分挙がらなくなり、上肢や肩甲骨を挙上する筋や、上肢が上がらないことでそれを補う様な筋の負担やコリなどにつながったりします。どの筋肉が重要かは見解が分かれますが、前鋸筋、下部僧帽筋、肩甲挙筋、広背筋が重要でそのほか棘下筋、菱形筋が重要との意見があります。広背筋は上肢を体の内側後ろに伸ばすときに働き、その際肩甲骨が内転し下角が持ち上がるように動きます。
2.肩甲上腕リズムの検査
(1)片手を胸に当て肘を外転する(写真1)
肩が挙上しなければ肩甲骨も同期して動いている証拠でリズムが良いと判断される。肩が上がってくると上肢を外転するために肩が上に動いて代償していることになります。


(2)両上肢を伸ばし前に90°上げる
上肢を挙げると上腕骨骨頭が上に上がり肩関節(肩甲上腕関節)にぶつかってしまうため上肢をあげにくくなることがあります。そのため左右の高さが異なってきます。
3.肩甲上腕リズムを改善する運動
上肢を挙げるとその角度によって肩甲骨の動きは異なってきます(前々回表2)。上肢の動きが悪い場合は、肩甲骨の動きが悪くなることがほとんどで、そのため外転,内転、上方回旋、挙上、下制、内転などの動きを邪魔しないように関係する筋をストレッチしたほうが良いことがほとんどです。
もちろん動きが悪くなるような弱い筋があったら強化する必要があります。
肩甲挙筋、広背筋のストレッチ
手を反対側の肩に当て肩甲骨を下に押す。体幹を側屈する(写真3)。

前鋸筋の強化
肘を直角に曲げ両肘を前で合わせ肘を上に挙げる(写真4)。

僧帽筋下部の強化
両手を頭の後ろに当て両肘を後ろに引く(写真5)。

肩や背中のコリ、上肢の上がりにくさのある方は当院をお訪ね下さい。
次回は狭義の肩関節(肩甲上腕関節)の異常で上肢が上がりにくくなった場合について説明します。
