長い間椅子に座っていると腰が痛くなるのはなぜだろう?
理由
椅子に座ると,上体を支えるために背筋が意志とは無関係に反射的に収縮してしまいます。
筋肉細胞に血管から酸素や栄養を送るためには,毛細血管まで細くならないと血液を送ることができません。
ところが筋肉は収縮するという性質があり、長く座っていると背筋が持続的に収縮し、筋内の圧力(筋圧)が高まった状態が続きます。
一方毛細血管はわずかの圧力でもつぶれてしまうので、長時間背筋に血液が行かない状態が続いてしまいます。
そうすると背筋に栄養や酸素が行かなくなり、体から発痛物質が出てきて、痛みやコリが出てきます。
また椎間板にかかる圧を測定した研究によると、立っている時より座っている時のほうが椎間板にかかる圧力が高いことがわかっています。
座って体を前に倒すともっと圧力が増します。(下図)
これが長時間の座業の人の腰が痛くなる理由です。
対策
その対策として以下のようなことに注意しましょう。
- パソコンのディスプレイと眼と画面との距離は40~70cmで目線は斜め下
- 座る姿勢は背筋を伸ばし背もたれに背を十分当て、椅子に深く腰掛ける。
- キーボードに手を乗せたとき肘が直角より少し大きめにする。
- 足裏全体が床に接し、椅子と膝の後ろとの間に手指が入る程度にする。
- 連続作業45~50分に休憩10~15分入れ、10歩~20歩歩いたり、首・背中・胸・腕・手足のストレッチをしたりする。
- 時々目をつむる、遠くを眺める。
- 休憩時雑談など人とのコミュニケーションを取る。
車運転時の腰痛について
理由
長距離トラック運転手の腰痛の原因として、長時間の座位、加速・減速時上体が前後に移動することで背骨の形状が変化しやすい、コーナリングで腰椎に横の重力がかかる(椎間板に局所的な圧)、エンジンの振動、路面からのショックなどがあります。
また腰椎の生理的前彎を少なくした姿勢、いわゆるずっこけた姿勢で長い間運転していると、路面の凹凸により椎間板内圧の著しい上昇が生じます。
対策
対策として、背骨が自然なS字ラインになる好ましいカーシート、アジャスタブルなシート、ランバーサポート(腰の自然な反りを支えるバックレスト)、適度な休憩が考えられます。
また腰が痛い人は運転席の横に肘支え台を設置し、時々肘で腰を浮かすようにします。
色々と工夫しても、痛みが取れない場合、あるいは工夫しなくても痛みなく座業をしたり、長時間の運転をしたりしたい方は当院をお尋ねください。
つくば市 慢性腰痛・痛み専門 マッサージ・はり・運動療法
みどりの鍼灸院
次回は女性特有の腰痛について説明します。