変形性膝関節症とO脚
■ 変形性膝関節症
変形性膝関節症はその原因で一次性と二次性に分類できます。
一次性は原因不明で遺伝的素因、肥満等が考えられています。また関節局所の解剖学的特徴や栄養障害が考えられます。しかしながら下肢の形が悪い(主にO脚のため)機械的に無理がかかることが重要な原因といわれています。
二次性は明らかな原因を背景として続発、発症するもので、変形性膝関節症は一時性の原因が圧倒的に多くなります。
変形性膝関節症は中年の肥満女性に多く、内反膝(O脚)が多く、初期は関節に水がたまり(関節水腫)、だんだん膝の軟骨が摩耗し、痛みが出るという特徴になります。
■ O脚
ではO脚とは何でしょう。
図1.はO脚の下肢で、そのほうに体重をかけると膝が外側にたわみます。体重をかけたときに膝がぐらつくのでバランスが不安定になります。そのため膝が外側に行かないように、下肢の外側の筋肉が緊張します。その結果下肢の外側が股関節あたりから外くるぶしあたりまで痛んできたり緊張が高くなったりします。また膝の上の太ももの内側の筋肉である内転筋も押し締められて痛みが出てきます。
図1.の右は下肢を前から見たものでO脚により膝が外側にたわむ様子を表しています。歩く様子を後ろから観察すると体重をかけたときに膝が外側に揺れる現象がみられます(外側動揺)
図1の左の写真は外側から見た図で、外側の下肢の股関節から足首まで痛みを生じることがあります。
日本人の変形性膝関節症の方はほとんどO脚が多いため、膝の内側の軟骨がすり減る前から上の説明のような痛みを生じることが多くなります。そのためその痛みを取ってあげることと、O脚の矯正が重要な対策になります。
■ 変形性膝関節症が中年女性に多い理由
中年の女性に変形性膝関節症が多い理由として
① 横広の骨盤
女性の骨盤は男性に比べ横広なのです。
歩行中片足で立った時、反対側の骨盤を少し持ち上げておく必要があります。それを行うのは骨盤の横についている中殿筋という筋肉です。骨盤が横広だと体の重心線からの距離が男性に比べ長くなります。そのため立った側の反対側の骨盤を十分に上げることができず、立った側のほうに骨盤が横揺れします。その結果下肢が弓なりにたわみがちになります。つまりO脚になりがちになります。(図2)
しかも女性は男性に比べ一般的に筋力が弱いといわれ、立った側と反対側の骨盤を十分に持ち上げることができません。つまり長年生きて長い間歩くと女性のほうがO脚になりやすいと考えられます。
② 歩き方
昔の女性は一般的に爪先をやや内側に向け、両足の間隔を狭くして歩く方が多いと思われます。
そうすると余計膝が外側に動きO脚方向に下肢がたわむと考えられます。特に着物を着て歩く場合一直線上を内またで歩く必要があります。
以上の理由から女性のほうが男性よりもO脚になる可能性が高く、その結果変形性膝関節症が多くなると考えられます。もっとも男性に比べ最近の若い女性は爪先を内側に向けて歩いたり、両足の間隔を狭くしたりして歩く人が少なくなっている感じがします。彼女らが将来歳をとってもO脚は現在ほど多くなっていないと予想しています。
次回は色々なタイプのO脚について詳しく説明します。
O脚でお困りの方は当院をお訪ねください。
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