皆様あけましておめでとうございます。今年こそ世界が平和になるように、
人類が滅亡に向かわないようにしたいものです。
本年もどうぞよろしくお願いします。
変形性膝関節症の手術と理学療法
変形性膝関節症の代表的な手術方法には次のようなものがあります。
① 関節鏡視下手術
関節内部を関節鏡で見ながら、半月板や軟骨、骨の出っ張り等を除去する。
② 高位脛骨骨切り術(High Tibial Osteotomy)
脛の骨(脛骨)の膝に近い部分を湾曲状やくさび状に切り、大腿骨と脛骨のなす角度をX脚方向に矯正し固定します。荷重線を体の中央よりやや外側に移す、つまり膝から下の骨を切ってO脚に曲がった足をX脚方向に変える方法です。
下腿を外側に曲げると下腿の外側にある腓骨はつっかえ棒になり邪魔になるので、少し切り詰めます。
③ 人工関節置換術(Total Knee Arthroplasty)
膝関節の軟骨が内側も外側もすり減り、関節が狭くあるいは消失しレントゲンに映る、また膝蓋大腿関節(膝のお皿と大腿骨の間の関節)の関節面も変形性関節の状態になった場合、大腿骨側も脛骨側も人工のものに置き換えます。
人工のものと骨を接着するためにセメントを使う方法と使わない方法があります。
④ 人口膝関節置換術後の理学療法
1)膝蓋骨のモビリゼーション
術後の腫れと安静によりお皿(膝蓋骨)の動きが悪くなっていると、大腿四頭筋が収縮しても膝の下まで力が伝わらず十分膝を伸ばすことができません。そのため、膝蓋骨の動きをスムースにする必要があります。
2)大腿四頭筋強化
術後大腿四頭筋の筋力低下が起きてきます。そのため大腿四頭筋を強化することで、膝関節を保護し、膝をしっかり伸ばして体重をかけることができるようになります。あまり膝関節の曲げ伸ばしをしないで大腿四頭筋を強化する方法をマッスルセッティングといい、様々な方法があります。もちろん膝の曲げ伸ばしをする筋力強化もします。
⑤ 人口膝関節術後の歩行訓練の要点
Double Knee Actionの獲得
正常歩行では歩行の1周期に2回膝の曲げ伸ばしが生じます。脚を前に出す際膝は伸びた状態から接地し、体重をかけた下肢は軽度膝が曲がります。そのあとその足は地面を離れ、浮かした下肢は膝が大きく曲がりそのあとで伸びます。これをDouble Knee Actionといい、これを獲得する練習として、
- 膝の伸展最終域での抵抗運動:膝をしっかり伸ばす練習
- Half Squat(浅いスクワット):膝の曲げ伸ばしの練習
- 手を何かにつかまり低い台へのステップアップ:膝の曲げ伸ばしが必要
- 歩幅の増加:膝の曲げ伸ばしが大きくなる
- 前に出した下肢のかかとから床につく:膝をしっかり伸ばす練習
などが考えられます。
変形性膝関節症の術後で気になることがある方は当院をお訪ね下さい。
つくば市 慢性腰痛・痛み専門 マッサージ・はり・運動療法
みどりの鍼灸院
次回はO脚の予防について説明します。