1.筋収縮様式の種類
筋収縮様式は2種類に大別されます。
① 等張性収縮
筋の長さが変化しながら収縮する様式です。これには筋の長さが縮みながら収縮する(短縮性収縮)様式と筋の長さが伸びながら収縮する(延長性収縮)様式があります。特殊な等張性収縮の形として、筋力を測る機械に手や足を固定して一定の速度で手や足を動かす等運動性収縮があります。
② 等尺性収縮
筋の長さが変化せずつまり関節を動かさずに収縮する様式です。
例えば「床にあるバックを手で持ち上げて。その後床に再び置く」という動作の際の肘を曲げる筋(上腕二頭筋)ついて考えてみます。床からバックを持ち上げるときに上腕二頭筋は短縮性収縮をします。そして持ち上げたまま保持していれば等尺性収縮をします。その後ゆっくりバックを床に置こうとするときには上腕二頭筋は延長性収縮をします。
このようにどんな動作をするときにも、等張性収縮と等尺性収縮が必要になります。
また動かずに姿勢を保持する場合は、重力に抗して体重を保持しなければならないため体の色々なところで等尺性収縮が起こっています。
2.筋収縮様式とストレッチ
① 等尺性収縮後のストレッチ
「等尺性収縮をした直後にストレッチング(以下ストレッチと略す)すると、ストレッチ単独の場合より可動域が増加する。」との報告からPNFのホールドリラックス等の手技があり、臨床では多用されています。
例えば図1の場合上腕二頭筋が等尺性収縮をしています。その後におばあさんに荷物を渡した直後に上腕二頭筋はよりリラックスする可能性があります。
しかしリラックスした状態にある筋を等尺性収縮した後でストレッチするとはかえって筋緊張を増加させてしまう可能性があり、この方法は筋が緊張状態にある場合には有効と思われます。
ただ多くの場合人は筋緊張をしていることが多いと思われ、等尺性収縮後のストレッチは効果があることが多いと感じます。
① 等張性収縮後のストレッチ
スポーツ活動やウォーキングなどで等張性収縮や等尺性収縮を繰り返した筋は緊張が増しており、そのままにしておくと筋が短縮して柔軟性がなくなり体が硬くなってしまいます。そのため使った筋はストレッチをする必要があります。
例えば野球の投手が長いイニング投げた後では筋線維が損傷しています。
そのため肩を冷やすクールダウンをし、その後ストレッチをすることで、疲労回復や損傷回復だけでなく筋をやわらげることができ怪我の予防に役立ちます。
筋緊張が高い状態や軟部組織に痛みがある状態でスポーツを行うと痛みが悪化したり、それまで痛みを感じなかった範囲にも痛みが広がったりすることがあります。
② 労働やパソコン作業後のストレッチ
労働は一定の動作を繰り返す場合が多く、特定の筋が繰り返し使われます。また長時間のパソコン作業は座位姿勢を保つために重力に逆らって姿勢を保つ筋(抗重力筋)等が長時間等尺性収縮をします。そのほかの理由もあり筋への血流が滞りコリや痛みが発生し、筋が短縮します。このような場合にもストレッチをする必要があります。
ご自分に合ったストレッチを知りたい方は当院をお訪ねください。
つくば市 腰痛・痛み マッサージ・はり・運動療法
みどりの鍼灸院
次回はIDストレッチングについてご紹介します。