頭部・顔面の組織と美容

開業したてのつくばエクスプレス

1.頭部の筋

頭部の筋については以前説明しましたが、頭部の前から後ろにかけてある後頭前頭筋(こうとうぜんとうきん)は、後頭から前頭にわたり帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)で結合されます。帽状腱膜は頭皮と密に結合し頭蓋の表面に沿って動きます。側頭部には耳を動かす外耳介筋(がいじかいきん)と側頭頭頂筋(そくとうとうちょうきん)があります。

2.表情筋

顔の表情を作る筋です。細かい筋も加えると30種類以上ありますが、主な筋は以下になります。

図1.表情

前頭後頭筋:額に皺を寄せる
眼輪筋:眼を閉じたり開いたりする
皺眉筋:眉をひそめる
鼻根筋:鼻の根本に皺を寄せる
鼻筋:鼻孔を拡げる
頬筋:口角を上向きに動かし笑う
笑筋:口角を真横に動かし笑う
後角下制筋:口角を斜め下に下げる
口輪筋:唇の開閉、前に突き出したり拡げたりする
おとがい筋:あごに梅干しを作る
広頸筋:あごの下(頸の前)に力を入れる

臨床では顔面神経麻痺が問題になります。

3.咀嚼筋

以前も説明しましたが、4種類、左右8個あります。食物をかむ・すりつぶすために下顎(下あご)を動かします。咬筋(こうきん)、内外側翼突筋(ないがいよくとつきん)、外側翼突筋は顔面にありますが、側頭筋(そくとうきん)は側頭部にあります。これらの筋は閉口筋(図2)で、口を開くための筋(開口筋)が必要です。開口筋は舌骨上筋群といい、喉の前面にあります。

臨床では閉口筋は使い過ぎによる痛みや顎関節症、頭痛に、開口筋は飲食物の飲み込み(嚥下)に関係します。

図2.咀嚼筋

4.眼の筋

眼球を動かす筋は外眼筋といい、4本の直筋(内直筋、外直筋、上直筋、下直筋)と、2本の斜筋(上斜筋、下斜筋)があります(図3)。

内眼筋は水晶体を調節する筋で毛様体筋と虹彩があります。近くを見るときは毛様体筋が収縮して水晶体が厚くなります。遠くを見るときは毛様体筋が弛緩して水晶体が薄くなります(図4)。

図3.外眼筋
図4.レンズの厚みを調節する

臨床では目を動かす筋肉や神経の異常や遠視などが原因になる斜視や近視・遠視などが問題になります。

5.舌の運動

内舌筋は下の形を変る筋群で、外舌筋は舌の位置を変える筋群です。

東洋医学では舌で全身状態の把握をします(図5)。

臨床では、言語障害、嚥下障害などが問題になります。

図5.舌診

6.美容と顔面の筋

頭部の筋

頭皮を動かす、頭皮や筋のマッサージは血行を良くし毛髪への栄養を改善します。

表情筋

表情筋を動かす、またはマッサージをすることで血行が改善し肌のつやが良くなり、顔のむくみを改善しお化粧のノリが良くなります。また表情が豊かになります。個々の表情筋を動かすには専門家の指導が必要になるかもしれません。

顔の下半分の引き締めとして、思い切りイ、オ、ウという。外舌筋により舌の先で口腔内を何回もグルグルとなめ回す。

咀嚼筋

側頭筋を両こぶしで押し、ぐるぐる回し上に引き上げる・後ろに引く、咬筋と胸鎖乳突筋をマッサージし鎖骨下のリンパ腺にリンパ液を送り込むことで顔のむくみに効果があります。むくみをとるツボとして攅竹(眉毛の内側の端、目元のむくみ)、百会(頭のてっぺん、自律神経を整える)があります。

眼球の運動

眼球を上に動かす、下に動かす、左右に動かす、斜め上下に動かすことで長時間パソコンやスマホの一点を見ているため動きの悪くなった外眼筋を動かし眼のぼやけを改善します。

また長時間のパソコンやスマホの使用により一定の距離だけを見ているため、毛様体筋が硬くなるためレンズの調節機能が悪くなり近視になります。それを防ぐために連続作業45~50分に休憩10~15分入れ、遠くを眺めることで毛様体筋が硬くなるのを防ぎます。また10歩~20歩歩いたり、首・背中・胸・腕・手足のストレッチをしたりします。


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みどりの鍼灸院

次回は鍼灸とは、その方法、鍼灸はなぜ効くのかについて説明します。

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