腰痛の種類④軟部組織性腰痛

以前勤めていた大学のある新潟県村上市岩船地区の秋祭り

今回は、第一回で軽く触れた軟部組織が原因の疾患について説明します。

靭帯損傷

脊柱は多くの骨でできているため、それらがバラバラにならないようにつないでおく紐(靭帯)が必要となります。

腰椎を上から見た図
腰椎を上から見た図

脊柱にある靭帯には椎弓の棘突起と棘突起に間にある棘間靭帯と、棘突起の先端を縦に走っている棘上靭帯(ライオンのたてがみにあたる部分)、椎弓をつないでいる黄色靭帯、脊柱管の中を縦に椎体をつないでいる後縦靭帯、椎体の腹側にあり椎体を縦につないでいる前縦靭帯があります。

棘間靭帯と棘上靭帯が悪くなることがあります。その場合はその部位に鍼を刺してよい結果が出た経験をしました。その方は70歳代の女性でしたが、女学生のころから背中の真ん中あたりが痛く、どこに行っても治らないということでした。

後縦靭帯、黄色靭帯骨化症や肥厚症は難病に指定され脊柱管や椎間孔(神経が脊髄から出る穴)を狭窄し、様々な症状を引き起こします。

筋・筋膜性腰痛

筋・筋膜・腱などの軟部組織に加わった外力により生じた炎症による痛みと考えられるものです。椎間板ヘルニアや圧迫骨折による症状や神経症状がないことを確認してから判断します。

筋・筋膜性腰痛は脊柱起立筋(背筋)、大殿筋(おしりの筋)、多裂筋(脊柱の近くの背筋との間にある筋)、腰方形筋(脇腹の奥のほうにある筋)などの筋が腰痛の原因になります。

そのほか腱や名前の付けにくい軟部組織が痛むことが良くあります。腰痛の原因として筋・筋膜性腰痛が非常に多いのですが、検査で検出されにくく心因性と誤解されやすくなります。

鍼灸、マッサージの適応になります。

姿勢性腰痛

姿勢の不良によって生じる腰痛であり、姿勢の癖や習慣、背筋、殿筋、腹筋の弱化、腰椎前弯(反り)の減少あるいは増大、骨盤前傾の減少あるいは増大、円背(猫背)、左右の下肢の長さの違いなどが原因となることがあります。

背筋疲労によるコリや痛みは鍼灸マッサージ、姿勢矯正は理学療法などが対処法になります。


次回から腰痛になる原因、ならないための方法について説明していきます。

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