あけましておめでとうございます。
今年もよい年でありますよう、お祈り申し上げます。
機械による牽引
牽引とストレッチの違いは何でしょう。ストレッチは軟部組織を引き延ばす。牽引は関節をゆるみの姿位(後述)にしておき、関節や軟部組織を引っ張るというイメージです。
ストレッチは以前何度か詳しく乗せたので、今回は牽引について説明します。
牽引の種類
①徒手によるもの
②機械の動力によるもの(間欠的牽引と持続牽引に分けられる)
③患者の自重や重力を利用したもの
の3つに分類できます。また
①患者の骨を直接引っ張る直達牽引
②体表から引っ張る介達牽引
に大別できます。リハの世界では徒手、機械、自重による介達牽引が行われます。
①機械による座位による間欠的頸椎牽引は7Kg~20Kgで引っ張るといわれています。もしもっと強い力で牽引すると歯や顎関節が痛くなり耐えられません(図1)。
間欠的腰椎牽引は寝た姿勢で床面がスライドするようになっており、体重の1/4~1/2程度で行われますが、牽引力22kgで後方腰椎間が離開するとの報告があります。体重の半分以上で引っ張ると、わきで固定しているため脇が耐えられなくなります。強く牽引すれば椎間孔が拡大する可能性があるかもしれません(図2)。
腰椎牽引の場合図のようなファーラー姿位あるいはセミファーラー姿位で牽引します。弱い力で症状が改善するならこの場合背筋、大殿筋等がストレッチされて症状が変化したと考えられます(図3)。すなわち症状の原因が椎間孔での神経圧迫でなく、引っ張られる筋群が原因と考えられます。
図3.図のような形で腰椎牽引が行われると、大殿筋、中殿筋後部線維、背筋(多裂筋、最長筋、腸肋筋)等がストレッチされる。
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017
症状の原因が椎間孔での神経根の圧迫であるかどうかは、十分検討されなければなりません。筆者の研究では腰椎椎間板ヘルニアの診断のついた25例について椎間孔で椎間板が神経を圧迫していると考えられるケースは4名のみでした。
あん摩・マッサージでは主に徒手による牽引が行われるのですが、徒手による牽引を説明する前に、次回は関節モビリテーションについて説明する必要があります。
つくば市 腰痛・痛み マッサージ・はり・運動療法
みどりの鍼灸院