
1.筋硬結(コリ)ができやすい部位
以下の部位ができやすいと考えられます。
- 強い力で繰り返し使われた部位
- 等尺性収縮を長期間余儀なくされた部位
- 重力に抗して体や上下肢を支える必要がある部位(抗重力筋)
- 姿勢や骨格の形や並び方が悪くストレスがかかる部位(マルアライメント)
- 怪我や打撲をした部位
- 長い間圧迫された部位
- 関節を長時間動かさない、あるいは寝たきり老人など体を自由に動かすことができない部位
- 内臓等からの関連痛部位
- 精神的緊張のため緊張の高まっている部位
- その他
筋硬結は体中の筋すべてにできる可能性がありますが、臨床経験の中で頻度が高い筋を体の部位別に表1にまとめます。手や足の細かい筋は省略します。
部位 | 硬結の発生頻度が高い筋 |
---|---|
頭部 | 側頭筋、咬筋 |
頸部・肩上部 | 斜角筋、後頭下筋群、上部僧帽筋、肩甲挙筋 |
肩・肩甲帯 | 三角筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋 |
上肢 | 上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋 |
胸腹部 | 大胸筋、小胸筋 |
背部 | 背筋、多裂筋 |
腰部 | 背筋、腰方形筋、多裂筋 |
臀部 | 大殿筋、中殿筋、大腿筋膜張筋、腸腰筋 |
下肢 | 大腿四頭筋、ハムストリングス、下腿三頭筋、前脛骨筋 |
2.スポーツ活動で起こりやすい悪循環
スポーツ活動では繰り返し特定の筋肉が激しく使われます。そのために生じやすい問題を図1に示します。

この悪循環を防止するために練習や試合後のストレッチング、炎症部分の冷却、その後のマッサージ、鍼などが行われます。故障部位にはテーピング、装具などが使用されることがあります。
このような悪循環を予防するためには練習・試合前のウォーミングアップ、練習・試合後のクールダウンを十分に行う必要があります。特にクールダウンが大事であるといわれます。
3.外傷と障害の違い
スポーツ障害は外傷と障害に分けられます。外傷はけがのことです。障害は繰り返しの激しい使用で生じます。特に体型や上下肢のアライメントが悪いと繰り返しの使用で障害が生じやすくなります。
例えば一流選手のアキレス腱や下肢全体は後ろから見るとまっすぐになっています。
まっすぐだと地面をける力が効率よく働きます。曲がっていると力が伝わる効率が悪くなるばかりでなく、例えば足関節の曲げ伸ばしを繰り返すことでアキレス腱のある部分が周りの組織と摩擦を起こし炎症や痛みにつながってしまいます。O脚の膝も同じで屈伸の力が効率よく発揮されないばかりか、繰り返しの膝の屈伸でどこかに負担がかかってしまいます。
膝のお皿が外側や上の方についているバスケットの選手はお皿の脱臼を起こしやすく太ももの力が十分に踏ん張る力になりません。下肢の形が悪い人(マルアライメント)は高校レベルまではいいが大学レベルでの運動では故障が多くなってしまう恐れがあります。スポーツ整形などでアドバイスをもらう必要が出てきます。
「名馬これ怪我なし」ということわざがあります。一流選手の足の形はまっすぐで怪我(外傷)以外の障害が少ないのです。

スポーツで生じた怪我や、慢性的な痛みを感じる方は当院をお訪ね下さい。
つくば市 腰痛・痛み マッサージ・はり・運動療法
みどりの鍼灸院
次回は筆者が行っているあん摩・マッサージの理論と方法(座業で生じる問題)を紹介します。