【腰痛】腰方形筋の役割とストレッチ方法

庭に来たジョウビタキ(オス)

1.腰方形筋の解剖(図1)

腰椎の両側で胸腰筋膜の前にあり、長方形をなし筋束は多様に錯走する。

(起始・停止)
前部は3~4腰椎の肋骨突起から12肋骨
後部は腸骨稜・腸腰靭帯から3-4腰椎の肋骨突起・12番目の肋骨

図1.腰方形筋
出典:河上敬介、小林邦彦編『骨格筋の形と触察法』 大峰閣 1998

2.機能・役割

腰方形筋は腰痛の際コリ(硬結)や痛みが非常に出やすい筋肉です。その理由として以下に示すようにこの筋は様々な場面で働くため、使い過ぎや無理をすることで痛みやコリが出てきます。

1)姿勢制御

静止姿勢での体幹の微調整を行い、姿勢を維持します。また長時間のデスクワークや車の運転などで同じ姿勢が続くと、腰方形筋が持続的に縮んだ状態になり緊張します。

2)骨盤の挙上

片側の腰方形筋が緊張すると、骨盤を引き上げる作用があります。片脚立位をする時や歩行時に遊脚側の下肢を持ち上げ前に出すときに、片方の腰方形筋が収縮します。

3)体幹の側屈

外腹斜筋や内腹斜筋とともに、体を横に倒す動作を行います。これにより、体幹の柔軟性が向上します。日常生活では片手で重たい荷物を運ぶ・荷物を持ち上げるなどで使われます。この筋が悪いと起き上がるとき痛かったりします。

4)体幹の伸展

脊柱起立筋と協力して上半身を反らす動作を助けます。腹筋・背筋が弱いと腰方形筋が過剰に働き縮んで来たりコリが出たりします。

5)呼気補助

呼吸時に第12肋骨を引き下げることで、強制呼気を助ける役割をします。呼吸機能が悪い人は息を吐きだす際に呼吸補助筋の一つである腰方形筋を過使用します。

3.ストレッチ法

1.自主ストレッチ

  • 仰向けで、頭を超えて両手を上げ背伸びする。寝たきり老人などに良い。
  • 立って片側に体を傾け、腰方形筋を伸ばす(図2)。
図2.腰方形筋のストレッチ(立位)
  • 椅子に座り、腕を横に広げて体を傾ける(図3)。
図3.腰方形筋のストレッチ(座位)
  • 四つん這いになり、背中を丸めたり反らせたりする(図4,5)。
図4.背中を丸める
図5.背中を反らす

2.受動的ストレッチ

  • うつ伏せになり腰部の横のやや上を指で押し込み、硬いところがあればそこを親指等で押す。横向きで腰の下にタオル等を丸めて入れると、腰方形筋が伸され触知・ストレッチしやすくなる。
  • 横向きになり胸郭のすぐ下を手刀で押し、他方の手で骨盤を握り両手を交互に動かす。

4.筋力強化法

腰方形筋を強化するとテニスやゴルフ、野球等スイング動作を伴うスポーツ、柔道やサッカーなどのねじり動作が強くなります。

  • サイドプランク(図3):
    横向きで下の上肢で肘立てし体を支え、腰を上げ体を直線状にする。
図3.サイドプランク
  • サイドベント(図4):
    立位でダンベルやチューブなどで抵抗を加え上体を横に倒し、起こす。
図4.サイドベント


腰痛でお悩みの方は当院にお越しください。


つくば市 腰痛・痛み マッサージ・はり・運動療法

みどりの鍼灸院


次回は体の中心にあり、重要な働きをするコアマッスルである多裂筋について説明します。

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