
あけましておめでとうございます。今年も皆様にとって良い年でありますよう、
またウマくいきますように。
1.肩甲骨の動き
肩甲骨には多くの筋がついていていろいろな方向に動かすようにできています。その動きには名前がついています(図1、図2)。

出典:中村隆一他著「基礎運動学第6版」、医歯薬出版、2003 図2.肩甲骨の動きの図示
2.肩関節(広義)の基本構造
広義の肩関節は図2のように5つの部分からなり、肩甲上腕関節(A)は狭義の肩関節になります。肩甲骨は鎖骨と唯一つながっており(肩鎖関節B)、肩甲骨と胸郭の関節(D)は解剖的な関節ではなく、胸郭の上を肩甲骨が滑って動きます(図3)。鎖骨と胸骨の間の関節は胸鎖関節(C)と言いますAとD以外の関節はほとんど動きがない(不動関節)のですが、その分ストレスの逃げ場がなく、痛みが出やすい関節になります。
上肢を体の後ろに大きく回すのは(肩関節伸展)肩甲上腕関節だけでは不可能で、肩甲骨の内側の下が大きく浮き上がる(天使の羽、翼状肩甲)ことが必要です。「肩甲骨はがし」は翼状肩甲の状態を作ることになります。翼状肩甲の症状を呈する難病の一種がありますが、これは別問題です。

肩甲骨の内側が凝る人はそこの筋肉が硬くなって指が入らず胸郭に肩甲骨が張り付いたようになっています。パリオリンピック器械体操で個人総合金メダルを取った阿部選手は両上肢を後ろに回し(肩関節伸展)頭の近くまで来ることができます。その時肩甲上腕関節での動きが大きいのではなく、肩甲骨が大きく前傾し下角が大きく飛び出し胸郭と肩甲骨の間が大きく離れています。そのような人は肩が柔らかいといいます。
3.肩引き
肩こりには頸の周り、肩の上、肩甲骨内側の3か所があります。
肩甲骨内側は肩引き(けんびき)といわれることがあります。肩甲骨には数多くの筋がついています。その中で今回のテーマの肩甲骨はがしの対象となる筋は前鋸筋、菱形筋、腸肋筋、最長筋、僧帽筋があります。
前鋸筋(図4)は胸郭と肩甲骨の間にあり肩甲骨上角~内側縁~肩甲骨下角から第1~第8肋骨についています。肩甲骨を前の外側に引き胸郭を圧迫する筋です。
出典:河上敬介、小林邦彦編『骨格筋の形と触察法』 大峰閣 1998 図4.前鋸筋。右肩甲骨をはがした状態。
菱形筋は頸椎下部と胸椎上部から肩甲骨内側縁についています(図5)。
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017 図5.菱形筋
腸肋筋と最長筋はいわゆる背筋で肩甲骨には着いていないのですが、ここが硬いと肩甲骨を前に出し(巻き肩)背筋を引き延ばし、コリや痛みを和らげようとする可能性があります(図6)。
出典:小林紘二『筋性疼痛症候の臨床観察上巻』 MT-MSP勉強会 2017 図6.背筋(腸肋筋、最長筋)
肩関節の動きは肩甲骨の動きと連動しているのです。肩甲骨だけでなく、鎖骨や胸郭、脊柱も上肢の動きに伴い動きが起こります。上肢が動きにくい場合肩関節の周りだけでなく、肩甲骨、鎖骨、脊柱が関係している場合があります。
4.肩甲骨の動きが悪くなる原因
- 下向きがちの姿勢や、パソコン作業等下を向いて長年仕事するなどで胸椎が丸くなり、そのため胸郭の上を滑っている肩甲骨周辺の筋が下から圧迫されたり、前屈みがちな作業姿勢の場合、重い上体が前に倒れるのを防ぐため背筋が持続的に収縮したりします。これらが原因で肩甲骨の内側についている筋群や背筋にコリや循環障害を起こして動きが悪くなり、肩関節の動きに無理がかかり肩や腕を痛める場合も考えられます。
- 気管支や心臓が悪いため、関連痛として肩甲骨の内側にコリや痛みが出てくる場合があります。
- 呼吸機能が悪くなると呼吸補助筋である肩甲骨周辺の筋が過剰に働きコリや疲労の原因となります。
肩甲骨の動きが良くなれば肩こりや頸の痛みがなくなる、血行が良くなり代謝もアップする、猫背や巻き肩、呼吸機能も改善するなどの効果が期待されます。
肩甲骨やその周辺にコリや痛みを感じている方は当院をお訪ねください。
つくば市 腰痛・痛み マッサージ・はり・運動療法
みどりの鍼灸院




