椅子から立ち上がる時の膝の痛み
骨盤を後傾(図1.左の写真)した状態で立ち上がると上体を深く曲げないと立ち上がれません。骨盤を前傾(図1.右の写真)した状態では上体を前にあまり倒さないで立ち上がることができます。
左では重心が前に行き大腿四頭筋に負担がかかり、痛みを出す原因になります。
高齢者の方は左の写真のように骨盤を後傾している方が多いので、膝の前面に負担がかかるのです。特に高齢者に多いO脚の方は膝に強い負担がかかります。
階段を降りるときの痛み
階段は上る時より降りるときのほうが膝の痛みが出やすくなります。それはなぜでしょうか。
階段を上るときは降りるときに比べ動作に時間がかかるため、大腿四頭筋はゆっくり収縮します。階段を降りるときは昇るときに比べると、大腿四頭筋は素早く収縮しなければなりません。筋は速く収縮すると痛みが出やすくなります。
膝の前が痛いときは大腿四頭筋に硬いところ(筋硬結)があると下の骨によって圧迫を受け痛みが出ます。(図2の左)階段を降りるとき膝の後ろが痛い場合は、ふくらはぎの筋(腓腹筋・ヒラメ筋)が収縮を起こし、そこに筋硬結があれば収縮により痛みが出ます。(図2の右)
図2.階段を降りるときの膝の痛み
出典:小林紘二 (2017). 筋性疼痛症候の臨床観察〈下巻〉, MT-MSP勉強会
椅子からの立ちしゃがみ、階段を降りるときなどに痛みを感じるが、なかなか痛みが取れない方は、当院をお尋ねください。
つくば市 慢性腰痛・痛み専門 マッサージ・はり・運動療法
みどりの鍼灸院
次回は膝の前面の痛みに対する対処法を説明します。