「東洋医学はなぜ効くのか」(6)鍼灸刺激が免疫細胞に作用する5つの経路

満開のツツジ

「東洋医学はなぜ効くのか」山本高穂 大野智 BLUE BACKSの成書を中心に私見を交え説明してゆきます。

1.鍼や灸で皮膚や皮膚下の細胞が傷つくと

➡自然免疫のマクロファージ、好中球、肥満細胞、NK細胞が集まり➡炎症反応起こります。

また熱や圧迫により➡神経細胞の軸索からの軸索側枝を経て➡炎症が起こります。(軸索反射)

組織が修復するためには炎症が生じなければなりません。この2つの結果組織の修復が促進されます。

図1.鍼灸刺激が免疫細胞に作用する経路(1)

2.過剰なストレスは体に悪い

視床下部―下垂体―副腎皮質系でストレスホルモンが分泌されます。

ストレスホルモンが分泌されると➡NK細胞、肥満細胞などに結合し炎症性サイトカインの産生が減少し、免疫細胞数が減少します。

強いストレスによりストレスホルモンが過剰に分泌されると➡Th2(アレルギー反応)が過剰になり➡血糖値、血圧が上昇し➡糖尿病、肥満の原因になります。

鍼灸刺激は➡視床下部で作用し視床下部―下垂体―副腎皮質系を抑制します。

図2.鍼灸刺激が免疫細胞に作用する経路(2)

3.交感神経―副腎皮質系の働きを調節

ストレスが続き交感神経―副腎皮質系興奮が慢性化すると➡アドレナリン、ノルアドレナリン分泌が高まり➡免疫機能低下します。

優しいマッサージなどなどの優しい刺激は➡交感神経活動を低下させ➡アドレナリン、ノルアドレナリンの分泌が低下します。

4.脾臓へとつながる炎症反射

迷走神経と脾臓を介して起こる抗炎症作用(炎症反射)があります。

臓器や血管の免疫状態の情報は➡求心性迷走神経を介して➡脾臓でノルアドレナリンが分泌され➡T細胞が反応してアセチルコリンが分泌され➡マクロファージの活動を低下させ➡炎症性サイトカインの産生が減少し、炎症反応が抑制されます。

合谷(親指と人差し指の間のツボ)刺激や迷走神経が分布する耳への鍼灸刺激は➡脳幹から➡迷走神経を介して➡脾臓に伝わりこの作用を増強します。

図3.脾臓につながる炎症反射

5.足三里―迷走神経―副腎髄質

足三里(膝蓋骨の斜め外側下のツボ)を刺激すると➡坐骨神経から➡脳幹に伝わり➡遠心性迷走神経から➡副腎髄質に伝わり➡アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンが分泌され➡そのなかのドーパミンが血液を介してマクロファージなどの免疫細胞に作用し➡炎症反応が抑制されます。

図4.足三里の炎症抑制作用

つまり鍼灸は炎症を抑制し、ストレスを和らげることで結果的に体の健康に役立つということです。

山本高穂、大野智著「東洋医学はなぜ効くのか」BLUE BACKSの紹介はこれで終了します。かなり難しかったですね。私も体への鍼の作用について改めてよく考えてみようと思います。本に興味のある方はご一読ください。

鍼に関心のある方は当院をお訪ねください。

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みどりの鍼灸院

次回は足や手がつってしまうという症状についてお話していきます。

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