股関節の動きをよくする(2)

水郷佐原水生植物園のスイレン

スポーツでは股関節の動きが重要といわれています。上肢だけでなく股関節から動きを出すとパーフォーマンスが上がります。また相撲の股割のように股関節を柔軟にすることで、腰の負担を減らし、怪我の防止にもなります。

股関節の動きを制限する因子として筋肉が重要で、腸腰筋、股関節内転筋、ハムストリングス、大殿筋、中殿筋、股関節外旋筋が考えられます。腸腰筋は短縮して股関節伸展を妨げます。内転筋は開脚を制限します。ハムストリングスは椅子の生活を続けると短縮し、膝を伸ばしての下肢挙上が制限されます。

1.股関節の動きをよくする方法

1)大殿筋と腸腰筋に対して

まず大殿筋が弱いのか、腸腰筋が固いのか調べる必要があります。うつ伏せで下肢を上に挙げます。股関節を曲げる筋が硬いのか、大殿筋が弱いのか判定します(写真1)。

写真1.股関節伸展評価

股関節を屈曲筋が硬い場合:腕立て伏せの姿勢で片方の下肢を前でかがめ他方の下肢を伸ばし腰を下に下げる。その際腰は伸ばさないようにする。腰を反らすと股関節が十分に伸ばされません(写真2)。

写真2.腸腰筋のストレッチング

大殿筋が弱く、かつ腸腰筋が短縮している場合、横向きで下の下肢を体の前まで曲げ、上の下肢を後ろに振る、腰を反らさないで行うことが重要です(写真3、4)。

写真3.4.腸腰筋のストレッチングと大殿筋収縮

大殿筋が弱い場合、椅子に半分腰かけ、浮いているほうの臀部側の下肢を後ろに引く(写真5)。

写真5.大殿筋収縮

2)ハムストリングスストレッチング

ハムストリングスのストレッチにはいろいろな方法があります。いろいろな状況に合わせ、選んでゆくといいと思います。

(1)しゃがんで足首をつかみ尻を挙げる(写真6、7)。

膝を伸ばしてお尻を上に挙げると大腿四頭筋が働きます。その時相反神経メカニズムが働き拮抗筋のハムストリングスの緊張が緩みます。その結果あまり痛みを感ぜずにハムストリングスを伸ばすことができます。

写真6.7.
しゃがんで足首をつかみお尻を上げる。

(2)椅子に浅く座り膝を伸ばして上体を前に倒す。

ハムストリングスが硬く長坐位では上体が十分に倒せない人はこの姿勢では上体に対して重力が垂直にかかりやすく、上体の重さを生かすことができます。体を曲げようとするよりも手で足首や足の先をつかむような意識で行い、ハムストリングスのストレッチをしているという意識を遠ざけるとよい(写真8)。

写真8. ハムストリングスストレッチング

(3)仰向けで股関節を90°曲げその後膝を伸ばす。(写真9)

写真9.ハムストリングスストレッチング

3)内転筋とハムストリングスのストレッチ

長坐位で足を開き、開脚体前屈(図1)を行う。背中を押す人は無理に押すとハムストリングスを損傷してしまう危険があります。

図1.内転筋・ハムストリングスストレッチング

股関節周辺や骨盤周りの痛みの原因として大殿筋、中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋、大腰筋などの筋肉のほかに、仙腸関節、鼠経靭帯などがあります。そのほか骨や内臓、神経からくる痛みもあり、いずれにしても症状の原因個所をきちんと調べる必要があります。

次回は股関節、骨盤周辺の痛みについて解説します。

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